小野瀬潤君 B・D

今日は潤君のお誕生日。
清信君は愛する潤君の為に、プレゼントを求めて原宿の街へと出掛けて行きました。
しかし、清信君は潤君が何を欲しがっているのか判らないので、取り敢えず十字架のペンダントを買いました。

「潤君?いるー?」

と、潤君の家の前でインターホンをどれだけ押しても、出てきませんでした。

「何処行ったんだろう…」

玄関の前で清信君は座り込んでしまいました。

「…潤君…」

どれ位経ったのでしょう…。
幾ら待っても潤君は帰って来ませんでした。
諦めて帰ろうとした清信君。

「俺の事忘れてるのかなぁ…?」

自分の家へ帰る道を歩き出した清信君の瞳からは、ポロポロと涙が流れ出てきました。

「じゅんーっ!」

清信君の声は虚しく木霊するだけでした。
その頃、潤君は清信君のお家の前で清信君を待って居たのです。
いわゆる二人はすれ違いと言う事です。
仕方なくスーパーの袋を両手に提げて、潤君はお家へ帰りました。

「何処行ったんだろう…」×2

清信君はいきなり走り出しました。
前方に大好きな潤君の姿が見えたのです。

「潤ー!」

「清信!」

清信君は潤君に飛びついて抱きしめました。

「何処行ってたの?ずっと待ってたのに…」

「へ?俺は清信の家の前でずーと…」

「僕は潤の家の前に…」

「何だ、お互いに家の前で待ってたのか!」

「馬鹿みたいだね。あっ、ちょっと、潤!あと10分で日付が変わっちゃう!!」

「それなら、此処でお祝いしてよ」

潤君がそう言うと、清信君は照れた様に潤君の首に腕を廻して

「おめでと!」

と言って、キスをしました。

The End

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